清癒湯コラム 「未来の種 生薬【当帰】 」

清癒湯コラム
「未来の種 生薬【当帰】」

未来の種 生薬【当帰】

漢方薬に欠かせない「当帰」

「当帰(とうき)」という生薬を皆様はご存知でしょうか?
「漢方の原料として名前は聞いたことがある」、という方もいらっしゃるかと思います。
実はこの当帰抜きには漢方薬療法が成立しないほど、重要な役目を担っている生薬なのです。
写真は秋に収穫した根ですがさらに大きく成長するものもあります。
セリ科の植物特有のセロリのような香りがします。これを乾燥し刻むと漢方原料となります。
夏にはAngelica(天使)の学名通り白い小花が傘のように開きとても美しい光景です。

当帰は東洋医学理論の「気・血・水」のなかで「血」に関するはたらきがあり、血液不足と血行不良によって起こる諸症状を改善します。
昔から「血の道」と呼ばれる月経や出産・産後、更年期などの女性特有の諸症状に役立てられてきました。
現在医療用の漢方薬は全部で210処方ありますがその約3割近くで当帰が配合されています。
中でも婦人科系の有名な漢方処方(「当帰芍薬散」「温経湯」「加味逍遥散」等々)の多くで当帰が配合されています。

そもそも「当帰」というネーミング自体、女性への恩恵の高さを表していて興味深いです。昔、中国で子供ができずに実家に戻された嫁が、当帰を服用するようになり婚家に「当(まさ)に帰る」、「当てるために(妊娠するために)帰る」ことができた、というものです。欧州でも古くから「天使の治癒効果」を持つと言われていて洋の東西問わず女性の守護神的な生薬と言えるでしょう。

日本における当帰の薬草としての記述は奈良時代、「やまぜり」の名が『出雲風土記』(713年頃)に見られます。
この「やまぜり」は主に東日本に自生する純粋な野生種であるミヤマトウキを指すものと思われます。
ミヤマトウキは江戸期まで東北で盛んに栽培されたもので南部当帰、仙台当帰などと呼ばれて流通していたようです。 今日、ミヤマトウキの学名には【Angelica acutiloba subsp. iwatensis】と「岩手」の名が記されています。
野生種のミヤマトウキはやがて日本各地で栽培されるようになります。主に大和地方(現在の奈良県)で定着した品種がヤマトトトウキ、明治時代に北海道で栽培されるようになったのがホッカイトウキ。
これらが今日、医薬品原料の当帰として日本薬局方に収載されています。

「当帰」と清心丹、未来の種プロジェクト

薬種問屋として江戸期に創業した清心丹。当帰の取り扱いも古く、さかのぼれば創業時の看板商品、血の道の妙薬として愛された「清婦湯」まで至ります。
そして現在この流れを組む製品が薬用入浴剤「清癒湯」です。
メイン生薬として当帰をふんだんに配合しています。
今回、原料の当帰を選定する際、清心丹では製造コストを二の次にして特別な当帰を採用しました。
それは東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県南三陸町で活動する「未来の種プロジェクト」の手によって育まれた当帰です。

足浴はなぜ効くのか?

「未来の種プロジェクト」はNTTdocomoとアミタグループ、そして宮城県南三陸町の方々と共に2012年からはじまった活動です。
昔からの知恵と新たな技術で農作物を育てたり、間伐・森林保全の取り組み等を通じ、南三陸町の豊かな自然と資源、地域の人の優しさ、温もりを共に育みあい、農山漁村と都市の人々が「共感」でつながり支えあうコミュニティの形成を目標に活動しています。この理念に共感した同じ東北出身の清心丹9代目現当主(髙木紀子)は真っ先に原料としての採用を決めました。
そして未来の種「当帰」の高い品質を生かして開発したのが薬用入浴剤「清癒湯」です。
当帰の良さを引き出すために漢方煎じ薬として用いられるサイズで裁断し各種生薬をブレンドした文字通りの薬湯です。
生薬そのものから溶け出る本物の芳香と有効成分が他の入浴剤にはない特徴となっています。
そこに東北で栽培された方の想いが加わり体と心を温める薬湯として、発売以来多くの皆様に喜ばれております。

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